2025年上半期、建設業の倒産が過去10年で最多に

現場監督虎の巻


現場監督のみなさん、お疲れさまです。

2025年1月〜6月の半年間で、全国の建設業の倒産件数が986件にのぼり、過去10年間で最多となりました。
前年同期の917件から約7.5%の増加。

これは単なる数字の増減ではなく、業界全体が直面している厳しい現実を映し出しています


倒産増加の背景

  1. 資材価格の高騰

    鉄骨、木材、住宅設備機器などの価格が高騰。
    見積もり時の価格と実際の仕入れ価格に差が出て、利益が消えてしまうケースが増えています。

  2. 人手不足

    職人の高齢化と若手不足により、必要な人員が揃わない。
    応援を頼めば外注費が膨らみ、工期遅延でペナルティを受ける事例もあります。

  3. 後継者難

    中小企業では社長の高齢化が進み、引き継ぎ先が見つからないまま廃業や倒産に至るケースが増加中。


現場監督として意識しておきたいこと


この状況は経営者だけの問題ではありません

現場を動かす監督が、日々の業務で意識を変えることが、会社の体力を守る第一歩です。

  • ① 原価管理の精度を高める

    工事ごとの材料費・外注費をこまめに記録し、見積もりとの差を把握しましょう。
    仕入れ値の変動は早めに上司や購買担当に共有し、追加発注や仕様変更の判断を迅速に行うことが重要です。
    現場の数字に強い監督は、それだけで信頼されます。


  • ② 工期短縮の工夫

    無駄な待機時間や段取りミスはコスト増の温床です。
    材料や機材は先行手配、職人の配置は工程を見ながら柔軟に調整しましょう。
    たとえ1日短縮できなくても、半日の短縮が積み重なれば大きな成果になります。


  • ③ 安全と品質の維持

    安全や品質の低下は、会社の信用失墜に直結します。
    焦って事故を起こせば、その損失は金額換算できないほど大きいもの。
    工期やコストが厳しくても、基準を守る姿勢は絶対に崩さないようにしましょう。


  • ④ コミュニケーション力の向上

    人手不足の現場では、限られたメンバーで最大の成果を出す必要があります。
    職人さんとの信頼関係や、他業種との連携がスムーズにいくよう、現場内の情報共有を徹底しましょう。


  • ⑤ 情報収集と業界動向の把握

    資材価格や法改正の動きは、現場監督にとっても武器になります。
    業界ニュースやメーカー情報をチェックし、次の現場で活かせる準備をしておくことが、長期的には自分を守ります。


まとめ


今回の倒産増加は、外部環境の変化が直接的に業績を揺るがすことを示しています。

現場監督一人ひとりが「現場の数字に強く、安全と品質を守る監督」になることが、会社を、そして自分自身の仕事を守ることにつながります。

「現場監督虎の巻」では、これからも業界の最新動向や現場改善のヒントをお届けしていきます。


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