現場監督の皆さま、お疲れさまです。
伐採工事や切土工事は、林地・斜面での作業が多く、地形変動や倒木・土砂崩れなどリスクが高い工程です。
計画段階から適切な対策を講じないと、事故や手戻り、近隣トラブルを招く原因となります。
ここでは、失敗を防ぎ安全・円滑に進めるための“5つの要チェックポイント”をご紹介します。
現地調査&地盤・植生の把握
- 地質・地形の確認:
ボーリングや地盤調査報告書をもとに、斜面の安定性や崩土リスクを把握。過去の地滑り履歴があれば、土留めや擁壁設計を強化します。 - 植生状況の評価:
倒木リスクを減らすため、立ち木や根系の深さ・傾きを事前に測定。大径木は専門業者と協議し、適切な伐採順序を決定しましょう。
安全装備&作業手順の徹底
- 個人防護具の着用:
ヘルメット、防塵メガネ、チェンソー用防振手袋、安全靴、胴ベルトなど、作業に応じたPPE(個人防護具)を必ず装備。 - チェンソー作業の基本手順:
①刃の切れ味確認 ②切り込み角度・受け口の位置 ③倒木予定方向の確保 ④倒木誘導の支点設置 ⑤倒木後の片付け、といった一連の流れを標準作業手順書で共有。
排水・土留め対策の設計
- 仮設排水計画:
切土面や伐採後の裸地には、砂防ネットや集水トラフを設置し、雨水による浸食・崩土を防止します。作業前に降雨予測を確認し、仮排水溝を整備しましょう。 - 土留め構造の検討:
切土高が1.5m以上の場合は、土留め板や鋼矢板、アンカー工法などを採用し、斜面崩壊リスクを低減。施工上のスペースや仮設機械の設置場所も併せて計画します。
重機・資材搬入計画と作業動線
- 進入路の確保:
重機やダンプの通行が可能な幅員と勾配を確保し、路盤強度を検証。必要に応じて仮設道路を造設し、ぬかるみ対策として砕石敷きを行います。 - 資材置場の配置:
チェンソー用燃料や機械油など危険物は、山際や斜面下部に置かず、平坦地に集約。搬入動線と作業動線が交差しないようゾーニングを行い、安全性を高めます。
近隣・法令遵守と事前周知
- 届出・許可の確認:
林地開発許可、道路占用届、文化財保護条例など、地域ごとに必要な法令手続きを漏れなく実行。工事着手前に監督署や行政窓口へ届出を完了させましょう。 - 近隣説明会の開催:
伐採・切土は騒音振動や粉じん発生が大きいため、工事計画書をもとに近隣住民へ工事概要・期間・緊急連絡先を説明。苦情対応フローを準備し、安心感を提供します。
まとめ
伐採・切土工事は、地形・植生・斜面安定など多くの要素が絡む高リスク作業です。
しかし、事前調査と計画、手順の徹底、安全装備・排水対策、重機動線計画、そして法令遵守と近隣対応の5つのポイントを押さえれば、事故やトラブルを大幅に減らすことができます。
この記事を参考に、次回の山間部工事を安全かつ効率的に進めてください!
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