1. 原価管理とは?
原価管理とは、工事にかかるコストを把握し、計画通りに進めるための管理手法です。現場監督の重要な役割の一つであり、適切な原価管理を行うことで以下のメリットがあります。
- 利益の確保:無駄なコストを削減し、利益率を向上させる。
- 工事のスムーズな進行:予算内で適切な資材や労力を確保できる。
- 信頼の向上:発注者や会社に対して、適切なコスト管理を行っていることを示せる。
若手のうちは、現場の進行を優先しがちで、原価を意識する機会が少ないかもしれません。しかし、コスト意識を持つことで、より良い現場管理ができるようになります。
2. 現場でコストを意識する方法
(1) コストの内訳を知る
工事にかかるコストは、大きく以下の3つに分けられます。
- 材料費:コンクリート、鉄筋、型枠、仕上げ材など。
- 労務費:職人の人件費。
- 経費:重機のリース代、交通費、仮設費用など。
まずは、工事ごとのコストの構成を理解し、どこにどれくらいの費用がかかるのかを把握しましょう。
(2) 無駄なコストを削減する
① 材料のロスを減らす
- 過剰発注を防ぐために、必要数量を正確に算出する。
- 現場での適切な保管を行い、材料の劣化や紛失を防ぐ。
- 余った材料を有効活用できるよう、他の工事と共有する方法を考える。
② 労務費のムダを減らす
- 作業の手戻りを防ぐために、施工前の確認を徹底する。
- 無駄な待ち時間を減らすため、工程管理を適切に行う。
- 職人の人数を適切に調整し、過不足がないようにする。
③ 経費の見直し
- 重機等のレンタルは必要最小限の期間で契約する。
- 資材の運搬費を削減するために、まとめて搬入する。
- 仮設トイレや休憩所などの設置コストも、無駄がないかチェックする。
3. 若手がやってはいけない原価管理のミス
(1) 「お金のことは関係ない」と思う
現場監督は、安全や品質だけでなく、コスト管理も仕事の一部です。若手のうちからコスト意識を持ち、利益を確保する視点を養いましょう。
(2) 見積もりを確認しない
工事の予算は、見積もりをもとに作成された予算書などから決められています。発注時に単価や数量が適切かを確認し、予算オーバーにならないように管理することが重要です。
(3) 追加工事のコストを考えない
現場では、設計変更や追加工事が発生することがあります。このとき、
- 発注者としっかり交渉し、追加費用を確保する。
- 作業前に見積もりを作成し、承認を得る。
など、追加工事による損失を防ぐ対応が求められます。
(4) 記録を残さない
コストの管理には、記録を残すことが重要です。
- 材料の発注記録
- 職人の作業時間や人数
- 追加工事の内容と費用
これらの記録があると、後でトラブルが発生した際にも根拠を示すことができます。
4. まとめ
若手現場監督でも、原価管理の基本を押さえておくことで、より良い現場運営ができます。
- コストの内訳を知ること。
- 材料や労務、経費のムダを減らすこと。
- 「お金の管理は関係ない」と思わず、意識すること。
- 記録をしっかり残すこと。
これらを実践することで、現場のコスト意識が高まり、将来的に現場全体を管理できる力が身につきます。しっかり学んで、現場で活かしていきましょう!
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