施工管理で押さえるべき法令・基準

現場監督虎の巻


現場監督として施工管理を行う際、技術的な知識や現場での経験ももちろん重要ですが、それと同じくらい重要なのが「法令・基準」を理解し、守ることです。

法律違反や基準の未遵守があると、工事の停止、損害賠償、信頼失墜といった重大なリスクに直結します。特に若手のうちは「誰かが確認してくれているだろう」と思いがちですが、自分自身が法令に対する意識を持つことが、安全で円滑な現場運営につながります。


1. 現場監督が最低限知っておきたい主要な法令・基準

  • 建設業法
    建設業を営むうえでの基本的なルール。施工体制台帳や注文書・請書の取り交わし、下請契約のルールなどが定められています。

  • 建築基準法
    建物の構造・用途・面積・高さなどの基準を定めた法律。確認申請や完了検査など、各段階での手続きに関係します。

  • 労働安全衛生法
    作業員の安全と健康を守るための法律。足場の組立、墜落・転落防止、健康診断、安全衛生責任者の配置など、現場で特に密接に関わる法律です。

  • 道路交通法
    仮設工事や搬入出時の交通規制、道路使用許可など、現場周辺の交通に関わるルールがあります。

  • 騒音規制法・振動規制法
    近隣住民とのトラブル防止のためにも、騒音・振動に関する基準値や作業時間の制限などを把握しておく必要があります。

  • 建設工事標準仕様書(国土交通省など)
    公共工事などでは、施工方法・品質・試験などの詳細が仕様書として定められています。元請・発注者とのやりとりに関係することも多いです。


2. 法令違反が起きる主な原因

  • 知識不足
    「知らなかった」では済まされないのが法令違反です。特に新しい法律や改正された内容には注意が必要です。

  • 確認不足
    設計図書や仕様書をしっかり読み込まず、施工方法を誤ってしまうケースも多いです。

  • スケジュール優先
    工期を優先するあまり、安全措置や法定手続きを省略してしまうと、後から大きな問題につながります。


3. 若手現場監督として身につけたい意識

  • 「知らないことを放置しない」
    わからないことがあれば、すぐに所長や先輩に確認しましょう。日々の現場で少しずつ覚えていけば大丈夫です。

  • 「法令を守ること=現場を守ること」
    法令遵守は単なる義務ではなく、自分や仲間の安全、会社の信頼、工事の品質を守るための基本です。

  • 「ルールの背景を理解する」
    その法律や基準がなぜ存在するのかを知ることで、納得して現場に活かせるようになります。


4. 日常業務に活かすポイント

  1. 施工前に仕様書・図面・契約条件をよく読み込む

  2. 安全書類や許可関係は期限・提出先を管理する

  3. 朝礼や巡視時に、安全基準や注意事項を繰り返し共有する

  4. 新しい法改正や社内教育を積極的に受ける


まとめ

法令や基準は、現場監督として成長していくうえで避けて通れない重要な知識です。最初からすべてを覚える必要はありませんが、「知らないことをそのままにしない」ことが大切です。

トラブルを未然に防ぎ、安全で信頼される現場づくりを実現するために、法令・基準を意識した施工管理を心がけていきましょう

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