はじめに
工事現場では、設計変更や追加工事が発生した際に「変更契約」を結ぶことがあります。
ここで差がつくのが、発注者側が作成する「積算」をどれだけ理解しているかです。
積算の仕組みを押さえておけば、条件の悪い低単価工種から有利な高単価工種へ切り替え、工事全体の利益を確保できます。
発注者積算の基礎を学ぶ
- 内訳単価の構成:材料費、労務費、経費率、粗利率など、積算に含まれる要素を把握しましょう。
- 数量の算出方法:図面数量、現場測量、損失率の取り扱いなど、数量の根拠を理解します。
- 単価表・調達価格:地域相場や入札参加実績から、発注者が想定する単価レンジを推測します。
低単価から高単価へ“差替え”のポイント
- 工種の見直し:設計変更で同じ内容を別の工種(高単価の特殊工種など)に置き換え可能か検討。
- 代替材料・工法:標準仕様より高性能な材料や工法を提案し、単価アップを交渉します。
- 数量調整:端数や廃棄ロスを調整して、低単価部分を減らし高単価部分を増やす計算を示す。
交渉を有利に進めるテクニック
- 根拠資料の提示:発注者積算と自社積算の差異を示す比較表や試算書を用意します。
- メリット強調:高単価工種への変更で品質向上や工期短縮、安全性向上が見込める点を明確に伝えます。
- 相互利益の提案:追加コストが発注者の要求仕様や将来メンテナンス費削減につながることを説明。
事例で学ぶ成功体験
ある現場では、下地工事の一部を安価な一般工種から、耐久性に優れた高単価の特殊下地工法に切り替えました。
発注者積算との差額を詳細にまとめ、品質保証とメンテナンス削減効果を提示。
結果として、従来比20%の単価アップを認められ、現場の総利益を大幅に確保できました。
まとめ
発注者の積算を理解することは、変更契約を有利に進めるための第一歩です。
内訳単価や数量の算出方法を学び、低単価から高単価への差替え提案を根拠資料とともに示しましょう。
品質向上やコスト削減効果を強調することで、発注者も納得の上で契約条件を見直してくれます。
若手現場監督の皆さんも、今日から積算マスターを目指し、現場の利益アップに挑戦してください!
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