はじめに
安全パトロールは現場のリスクを早期に発見し、対策を講じる重要な手法です。
しかし、単発で行うだけでは真の改善にはつながりません。
本記事では、PDCAサイクルを回しながら安全パトロールを継続的に改善し、現場の安全レベルを高める具体的手法を解説します。
Plan(計画):チェックリスト作成
- 目的の明確化:パトロールの狙いや重点項目(足場の状態、安全帯の着用、周辺環境など)を決定。
- 項目選定:過去のトラブルデータや法令・社内基準をもとにリスク項目を洗い出す。
- チェックリスト構成:点検項目ごとに「OK/NG」「備考」「写真番号」を記入できるフォーマットを作成。
- 頻度・対象範囲の設定:日次、週次、月次など実施頻度と、パトロール対象(エリア・作業種別)を決定。
Do(実行):パトロール実施
- 事前連絡:パトロール日時・対象場所を関係者へ周知し、作業への支障を最小化。
- 現場巡視:チェックリストに沿って巡回し、異常箇所は写真やメモで記録。
- 即時対応:軽微な危険はその場で改善(清掃、資材整理、仮設柵設置など)を実施。
- 報告書作成:巡視結果を報告書フォーマットにまとめ、次工程や施工管理者へ提出。
Check(評価):報告書とデータ分析
- 結果確認:報告書をもとに、NG率や再発率などの指標を集計・可視化。
- 原因分析:ヒヤリ・ハット事例の傾向を分析し、共通原因(ヒューマンエラー・手順不備など)を特定。
- 関係者レビュー:定例ミーティングで結果を共有し、改善案や新たなリスク項目を協議。
Act(改善):対策の実施と次回計画への反映
- 改善策の実行:原因に応じた教育・手順見直し・設備改修などを実施。
- チェックリスト更新:新たに発見されたリスクや改善策を項目に追加し、フォーマットをブラッシュアップ。
- フォローアップ:次回パトロールで改善状況を確認し、効果検証を実施。
- 継続的学習:フィードバック結果を安全教育・朝礼などで展開し、全社員の意識向上を図る。
まとめ
安全パトロールをPDCAサイクルで回すことで、単発の点検から継続的な改善プロセスへ進化させることができます。
チェックリストの作成、実行、評価、改善を繰り返し、現場に安全意識を根付かせましょう。
現場には事故に繋がるヒントが必ずあります。
ただ歩くだけでは見つからないことが多いので、意識してさまざまな箇所に目を向けて歩いてみてください。
若手現場監督の皆さんがリーダーシップを発揮し、安全管理体制を強化することで、より安心・安全な現場運営が実現します。
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