後で泣かない!仕上げチェックの目線(土木工事編)

現場監督虎の巻

仕上げチェックを甘くすると何が起きるか

土木工事の現場では、工程終盤になると「もう大丈夫だろう」と妥協したくなる場面があります。

しかし、仕上げチェックをおろそかにすると、竣工検査や立会いで不具合が発覚し、再施工や補修工事が大量発生します。

補修は工期やコストの圧迫だけでなく、品質評価の低下にも直結します。

だからこそ、最終段階の徹底チェックが重要です。


チェックのタイミング

  • 下地・基層の段階で確認
    舗装の基層や構造物の下地の不陸・寸法誤差は、仕上げ後に顕著に表れます
    基層段階での修正が後工程の品質を左右します。

  • 工程ごとの小分けチェック
    現場全体を一度に見るのではなく、工区単位・施工ブロック単位で仕上げ確認を行い、漏れやムラを防ぎます。


特に注意すべき5つのポイント

  1. 路面・構造物の平坦性
    舗装やコンクリート構造物の仕上がりは、光の反射や水たまりの有無でわかります。
    雨天後や朝露のタイミングで確認すると不陸が見えやすいです。

  2. 勾配・排水状況
    水路や舗装面の勾配が図面通りになっているかを確認。
    水が滞留すると、早期劣化や事故の原因になります。

  3. 打継ぎ・目地の仕上がり
    コンクリート打継ぎ部や舗装のジョイント部は、ひび割れや段差が出やすいため、特に丁寧に確認します。

  4. 法面や側溝の仕上げ
    法面の均しや側溝の通水確認は、仕上げ段階で必須です。
    土砂詰まりや変形がないかチェックします。

  5. 仕上げ寸法と表示
    ガードレールや標識、舗装ラインなどの寸法・位置は設計値と照合し、ずれや曲がりがないか目視でも確認しましょう


チェックリストの活用

土木工事では確認項目が多く、見落としやすいため、チェックリストを必ず作成します。

  • 舗装、構造物、付帯施設など工種別に項目を分ける
  • 過去の検査指摘事項を反映させる
  • 作業班と共有し、事前のセルフチェックを徹底させる


発注者・利用者の視点を意識する

発注者や利用者は、基準値だけでなく見た目や使い勝手で評価します。

「この段差、車いすや台車に影響しないか」
「排水はスムーズに流れているか」

こうした視点で最終確認を行うことが、クレーム防止と品質評価の向上につながります


まとめ

土木工事における仕上げチェックは、竣工検査をスムーズに通過し、長期的な品質を確保するための最後の関門です。

  • 下地・基層段階での確認
  • 勾配・排水のチェック
  • ジョイント部や目地の精度確認
  • 法面・側溝の通水確認
  • 寸法・位置の最終チェック

これらを確実に行えば、不具合や手戻りは最小限に抑えられます

「後で泣く」ではなく、「胸を張って引き渡せる」現場を目指しましょう


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