近年、建設現場では外国人作業員の方々と一緒に働く機会が増えてきました。技能実習生や特定技能などの制度を活用して、多くの現場で外国人スタッフが重要な役割を担っています。
しかし、文化や言語の違いから、「うまく指示が通じない」「誤解が生じた」といった経験をした若手現場監督も多いのではないでしょうか。
今回は、外国人作業員の方と良好な関係を築き、現場をスムーズに進めるためのコミュニケーションの工夫を紹介します。
1. シンプルな言葉で伝える
日本語に慣れていない方にとっては、専門用語や方言、早口での説明は非常に難しいものです。
- 「施工」ではなく「工事」「作業」と言い換える
- 主語・述語をはっきりさせて話す
- 短く区切って説明する
たとえば、「ここ、もうちょっとキレイにしといてな」ではなく、「ここを掃除してください」とはっきり伝えるだけでも、理解度が大きく変わります。
2. 指差しやジェスチャーも活用する
言葉だけに頼らず、身振り手振りや図を使った説明も非常に効果的です。
- 指差しで「ここ」と示す
- 「上」「下」「右」「左」をジェスチャーで
- 写真や図面に印をつけて伝える
実際の現場では、指示の半分以上が「見せて伝える」ことで成り立っていることも多いです。
3. 翻訳アプリや多言語マニュアルを活用する
最近では無料の翻訳アプリもかなり優秀になっています。
- Google翻訳やVoiceTraを使って音声で伝える
- 多言語対応の「現場用語マニュアル」を配布する
完全な翻訳ではなくても、「意味が近ければOK」という意識で使えば十分コミュニケーションツールになります。
4. 感謝とねぎらいの言葉を忘れずに
文化が違っても、「ありがとう」「おつかれさまです」は世界共通。感謝の気持ちを言葉にすることが信頼関係の第一歩です。
また、「できて当たり前」と思わず、うまくいったときはしっかり褒めることも大事です。
5. 日常会話を少しずつ増やしていく
作業の指示だけでなく、ちょっとした雑談を意識してみるのも効果的です。
- 「ご飯はなに食べた?」
- 「母国ではどんな仕事をしていたの?」
仕事以外の会話が増えると、緊張がほぐれ、自然と意思疎通もしやすくなります。
まとめ
外国人作業員とのコミュニケーションで大切なのは、「伝え方を工夫すること」と「相手を尊重すること」です。日本語がうまく通じなくても、心は通じます。
少しずつ関係を築いていく中で、お互いの信頼が深まり、現場もきっと良くなっていきます。
今回ご紹介した工夫が、少しでも皆さんの現場の助けになれば嬉しいです。
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