現場でよくある施工ミス事例と未然に防ぐ工夫:土木工事編

現場監督虎の巻

はじめに

土木工事では、道路や下水道、造成など多様な施工が求められますが、小さな見落としが大きな手戻りや品質低下につながります

ここでは、現場でよくあるミス事例を挙げ、それを未然に防ぐための工夫を紹介します


1. 排水勾配の誤設定

  • 事例横断勾配が逆転してしまい、水が一か所に溜まり、凍結や地盤の浸食を招いた。

  • 対策
    • 施工前に横断図通りの勾配か、トランシットやレベルで複数ポイントを測定
    • 施工中に仮排水試験を行い、水が流れることを確認。→(いちばん確実)


2. 路床・路盤の締固め不足

  • 事例指定転圧回数を省略した結果、路床が沈下し車両荷重でたわみが発生。

  • 対策
    • 締固め回数・転圧荷重をチェックリスト化し、現場で必ず記録
    • 試験孔を設けて締固め後の密度試験を実施し、合格ラインを確認。
      (品質管理の証拠になる)


3. 土量計算の誤り

  • 事例盛土・切土の数量を過小見積もりし、資材不足で工期遅延。

  • 対策
    • 土量計算図と実測断面の断面図をクロスチェックし、数量差がないか確認
    • 発注前に現地パイルスキャンや3D計測データを使って数量精度を高める。
      (念のため、不足の際の対応を準備しておく)


4. 法面勾配の不適合

  • 事例設計勾配(例:1:1.5)を守らず施工したため、豪雨時に法面が崩落。

  • 対策
    • 施工中および施工後に、傾斜計や水準器で法面勾配を定期測定
    • 写真記録やサーマルマッピングで、法面全体の仕上がりを可視管理
      (法肩に水が集まらないように対策する)


5. 配管・埋設物の干渉

  • 事例管路図と現況地下埋設物がずれていて、作業中にガス管を破損。

  • 対策
    • 管路図だけでなく、地中探査機(GPR)や試掘で現況確認
    • 埋設前後に現地立会いを行い、成果を写真や図面に反映して記録
      (現況を目視で確認する! 面倒でも必ず行うこと)


まとめ


土木工事のミスは、小さな見落としが大きなトラブルにつながります

排水勾配、締固め、土量、法面勾配、埋設物の5つのポイントを中心に、施工前・施工中・施工後のチェックリスト化と定期的な試験・記録を徹底しましょう


習慣化すれば現場の信頼性が高まり、安全かつ効率的な工事運営が可能になります


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