現場監督のみなさま、お疲れさまです。
炎天下での作業、納期のプレッシャー、職人や協力会社との調整など、建設現場はメンタル的に負担が大きい環境です。
特に夏場は暑さや熱中症リスクが加わり、気づかないうちにストレスをため込んでしまいがちです。
ここでは、現場で一歩踏み出せばすぐに実践できるメンタルヘルス対策の基本ポイントをまとめました。
暑さによる体への負担を減らす
- こまめな水分・塩分補給
暑い日は体内の水分とミネラルが急速に失われます。
作業中は最低でも1時間に200~300mlずつ、スポーツドリンクや塩飴を活用してこまめに補給しましょう。冷凍飲料を保冷バッグに入れておけば、休憩時に冷たいドリンクを摂取できます。 - 休憩環境の工夫
日陰や風通しの良い場所を休憩スペースに確保してください。
簡易テントやメッシュシートで日陰を作ると、体感温度を大きく下げられます。ミスト扇風機や打ち水ができる現場であれば作業エリアそのものを涼しく保つ工夫を検討しましょう。 - 体調の自己チェック
毎朝の朝礼前に、自分の体温、血圧、脈拍などを測定し、頭痛・めまい・だるさなどを感じた場合は無理せずに休憩や交代を申し出てください。熱中症の初期症状は「汗が止まらない」「頭痛」「吐き気」などです。少しでも異変を感じたら早い段階で対策を取ることが大事です。
ストレスを軽減するセルフケア
- 作業後のクールダウン習慣
朝から夕方まで続く現場作業後は、休憩所で深呼吸しながら肩や首を軽くストレッチしましょう。頬杖やスマホを見るのではなく、5分間だけでいいので遠くの景色や緑を見るだけでも心身がリフレッシュされます。 - 短時間でもOKのリラックスタイム
昼休憩やトイレ休憩の合間に、好きな音楽をイヤホンで流しながら深呼吸する習慣を取り入れてください。たとえ5分でも、自分だけの「気分転換タイム」を意識的に作ることがストレス軽減に効果的です。 - 睡眠環境の見直し
現場監督は夜遅くまで事務処理をすることが多いですが、寝付きやすい環境を整えることが大切です。寝室を暗くし、エアコンで温度を27~28℃程度に設定。アイマスクや耳栓で外部の光や音を防ぎ、最低でも6時間以上の睡眠を確保しましょう。 - 食事バランスを意識する
簡単に食べられるカップ麺やおにぎりだけで済ませると、栄養バランスが崩れて体調不良や精神的なイライラにつながります。野菜・タンパク質・炭水化物をバランスよく摂るように心がけ、可能であれば毎日野菜ジュースやサラダをプラスすると良いでしょう。
人間関係によるストレスを和らげる
- オープンなコミュニケーション
職人や協力会社との間で「任せっきり」「口頭だけのやり取り」では勘違いや摩擦が生じやすくなります。毎朝の段取り確認時に、「今日の作業で困っていることはないか」「安全上の不安点はないか」を確認し、現場打合せ簿やチャットで記録しましょう。 - 感謝とねぎらいの言葉を忘れずに
職人さんたちは肉体労働で疲労がたまりやすいため、「おかげさまで助かっています」「いつもありがとうございます」といった感謝の気持ちを言葉やメッセージに乗せることで、職場の雰囲気が和らぎます。ちょっとした一言が相手のモチベーションを大きく向上させます。 - トラブル時の冷静な対処
施工ミスや遅れが生じたときに感情的になると、現場全体に緊張感が走り、ストレスが拡大します。まずは落ち着いて状況を整理し、事実をもとに原因を探って対策を実行する「フェールセーフ」の姿勢を示しましょう。冷静なリーダーシップが、職人たちの安心感につながります。 - 相談しやすい環境づくり
若手職人や下請けのスタッフが「何かあっても相談しにくい」と感じると、小さなトラブルが大きな事故に発展しかねません。現場監督自身が積極的に笑顔で声をかけ、「些細なことでも気軽に話してください」という雰囲気を作ることで、早期発見・早期解決につながります。
早期発見・早期対応の仕組みを整える
- 定期的なメンタルチェックリストの活用
現場監督同士で簡単な10項目程度の「体調・気分チェックリスト」を共有し、毎日の朝礼時にセルフチェックしてもらいましょう。たとえば「最近よく眠れていますか?」「食欲は落ちていませんか?」「イライラしやすくなっていませんか?」など、体と心の両面をチェックする項目を設定しておくと、異変に早く気づけます。 - メンタルヘルス担当者との連携
会社に産業医やメンタルヘルス担当者がいる場合は、定期的に現場を訪問してもらい、面談の機会を設けましょう。外部専門家がいることで、職人や若手の悩みを相談しやすくなり、環境改善のためのアドバイスも受けられます。 - 自己申告制度の周知
「まずは上司に相談しづらい…」というスタッフ向けに、匿名で相談できる窓口やチャットツールを用意し、利用方法を周知しましょう。自己申告の仕組みが整っていれば、小さなストレスサインも見逃さずに対処できます。
まとめ
夏場の暑さ、日々の納期プレッシャー、人間関係の摩擦など、現場監督はさまざまなストレス要因にさらされています。
しかし、こまめなセルフケアとオープンなコミュニケーションを意識するだけで、メンタルヘルスのリスクを大幅に減らすことができます。
まずはこの記事で紹介したポイントを、明日から少しずつ実践してみてください。
皆さんが心身ともに健康で現場に立つことが、安全で品質の高い工事を実現する第一歩です。お互いに声をかけ合い、共に暑い季節を乗り切りましょう!
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