建設現場では、どれだけ丁寧に準備をしても予期せぬトラブルが起きることがあります。資材の納品遅れ、作業中の事故、工程の遅延、近隣からのクレームなど、現場監督としては冷静かつ迅速な対応が求められます。
特に若手のうちは、トラブルが発生したときに「どう動けばいいかわからない」と戸惑うこともあるでしょう。今回は、現場でのトラブル対応の基本的な考え方と、具体的な動き方のポイントを解説します。
1. トラブル対応の基本姿勢
- まずは冷静に現状を把握する
感情的にならず、何が起きたのかを正確に確認します。 - すぐに上司や所長に報告・相談
自分一人で判断せず、早めの報連相がカギです。 - 原因と影響範囲を把握する
どこに影響が出るのか、二次被害はないかを考えましょう。 - 再発防止の意識を持つ
その場しのぎではなく、次に同じことが起きないように対策を考えることが重要です。
2. よくあるトラブルと対応例
(1)資材の納品遅れ
まずは業者に連絡し、到着見込みを確認しましょう。その上で工程調整を行い、必要であれば別の作業に切り替えるなど現場を止めない工夫が必要です。
(2)作業中の軽微な事故
すぐに安全を確保し、怪我人の対応を最優先します。その後、状況を正確に記録し、社内・発注者・元請けなど必要な関係先に報告を行いましょう。
(3)天候による工程の遅れ
天気はコントロールできませんが、予備日を活用したり、工程を組み替えることで対応します。朝の時点で中止・決行を判断する体制も重要です。
(4)近隣住民からのクレーム
まずは真摯に話を聞く姿勢を持ちましょう。現場で対応が難しい場合は、所長や元請け担当者と連携して対応策を協議し、丁寧に説明することが求められます。
3. トラブル発生時の動き方
- 現場の安全を確保する
怪我人や危険がないかを最優先で確認します。 - 関係者へ報告・連絡・相談(報連相)
所長や元請け、協力業者への情報共有を行います。 - 事実確認と記録
写真やメモで現場の状況を記録し、あとで状況説明ができるようにしておきます。 - 応急処置・対応策の実施
問題の拡大を防ぎ、仮対応でも現場が動けるよう工夫します。 - 再発防止策の検討・共有
チーム内で情報を共有し、同じトラブルを繰り返さない工夫をします。
4. 若手現場監督に伝えたいこと
「トラブルは起きてからの対応がすべて」と言われることがあります。完璧な現場は存在しませんが、誠実な対応を積み重ねることで、信頼は築けます。
まずは「自分が対応する」という当事者意識を持つこと。そして、どんな状況でも一歩引いて冷静に判断できる力を少しずつ身につけていきましょう。
まとめ
現場のトラブル対応は、若手現場監督にとって経験を積む絶好の機会です。問題が起きたときこそ、現場監督としての真価が問われます。
焦らず、正確に、誠実に対応する姿勢を持ち続ければ、周囲の信頼を得ることができます。
トラブルに強い現場監督を目指して、日々の現場に臨みましょう。
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