施工管理の5大管理の一つである「品質管理」は、建設工事において非常に重要な役割を担います。どれだけ工程が順調でも、品質に問題があれば工事は評価されません。特に若手現場監督にとって、施工不良を未然に防ぎ、信頼される品質を確保することは大切なスキルです。
品質管理とは何か?
品質管理とは、設計図書や仕様書に基づいて、求められる品質を確保するための管理活動です。使用する材料の確認、施工手順の徹底、完成後の確認など、工事の各段階で品質を守るための行動が求められます。
施工不良が起こる原因
- 確認不足:図面の読み違いや仕様の理解不足
- 作業ミス:職人による施工手順の誤りや勘違い
- 材料不良:不適合な資材を使用してしまう
- チェック体制の不備:完成後の検査が甘い
これらは、いずれも日頃の確認や記録で防げるケースが多くあります。
品質を守るためのポイント
(1)図面・仕様書の読み込み
まずは設計図書を正しく読み解くことが基本です。寸法や仕上げ、使用材料の種類・等級まで細かく確認し、現場での指示がブレないようにします。
(2)職人への適切な指示
作業開始前の打ち合わせや朝礼で、施工内容の要点や注意点を職人にしっかり伝えることが大切です。曖昧な指示は誤施工のもとになります。
(3)中間チェックの徹底
作業が完了してからでは手遅れになることもあるため、施工途中での確認が必要です。配筋・型枠・埋戻しなど、見えなくなる前に写真を撮って記録を残しましょう。
(4)材料の確認
納品された材料が設計に適合しているかを必ず確認しましょう。ロット番号や製品証明書の確認も忘れずに。間違った材料を使えば、全体やり直しになることもあります。
(5)記録の整備
検査記録や施工写真は、品質を証明する重要な資料です。社内チェックだけでなく、発注者との協議や完成検査でも必要になります。日頃から整理しておきましょう。
施工不良を起こしてしまったら?
もし不具合が発生した場合は、まず事実確認を行い、速やかに上司や所長へ報告しましょう。隠そうとせず、再発防止のための対策を関係者と共有する姿勢が大切です。
まとめ
品質管理は「現場を止めないため」の守りの仕事でありながら、信頼を得るための「攻めの姿勢」でもあります。若手のうちは、わからないことがあればすぐに確認することが重要です。日々の丁寧な仕事が、高品質な現場をつくり上げます。
施工不良を防ぐ第一歩は、「自分が現場の品質を守るんだ」という意識を持つことから。基本を大切に、一つひとつの確認を怠らず、信頼される現場監督を目指しましょう。
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