現場監督の重要な仕事のひとつに「検査対応」があります。
工事の品質を確認するため、社内検査や発注者・第三者による検査が行われますが、「どこを見られるのか分からない」「何を準備すればいいのか不安」という若手監督も多いのではないでしょうか。
今回は、検査前の準備から当日の対応、そして心構えまでを解説します。
検査の種類を把握しよう
検査には主に以下のような種類があります。
- 社内検査:自社内で品質や安全性を確認するためのチェック。ミスの最終確認にあたります。
- 発注者検査:元請けや発注者が品質を確認する検査。公共工事では必須の工程です。
- 第三者検査:監理者や検査機関など、外部の立場から実施される検査。公平性が求められます。
どの検査も、対応次第で現場全体の信頼に大きく関わってきます。
検査前にやっておくべきこと
1. チェックリストを活用する
自社や発注者が用意しているチェックリストをもとに、検査箇所を事前に確認しておきましょう。
図面との整合性、仕上がり状況、安全措置の有無などを事細かにチェックします。
2. 写真整理・記録書類の準備
出来形や品質を証明する写真や記録が揃っているか、整理されているかを確認しましょう。
写真台帳やチェックリストの記載漏れがあると、説明に手間取り印象が悪くなります。
3. 清掃・片付け
検査時に現場が散らかっていると、印象が悪くなります。
現場をきれいに保ち、危険な箇所がないよう整理整頓を徹底しましょう。
検査当日の対応ポイント
1. 検査員の動線を想定する
どこから見て回るかを事前に想定して、順路や案内方法を決めておきましょう。
迷わせずスムーズに案内できれば、信頼感にもつながります。
2. 「見せたい場所」と「見られたくない場所」の把握
施工上、工夫した部分やきれいに仕上がった箇所は積極的にアピールしましょう。
逆に、まだ手直し中の箇所があるなら、正直に伝えて対応予定を説明します。
3. 話し方・姿勢にも気を配る
検査は「対応」も評価の対象になります。
丁寧な言葉遣い、的確な受け答え、メモを取る姿勢など、基本動作がしっかりしていると安心感を与えます。
心構え:検査は「恐れるもの」ではなく「成長の機会」
検査で指摘を受けると落ち込むこともありますが、それは自分の成長につながるフィードバックです。
現場の品質や安全性を高めるチャンスと捉え、前向きに取り組みましょう。
また、検査を通じて「この監督なら安心できる」と思ってもらえれば、次の現場にもつながるかもしれません。
まとめ
検査対応をはじめ、現場では日々さまざまな出来事があります。
失敗や指摘を恐れず、一つひとつの経験を積み重ねていくことが、良い現場監督への近道です。
いろんな経験を通して、現場を任される人材として成長していきましょう。
検査対応は、若手現場監督にとってプレッシャーのかかる業務ですが、
事前準備と素直な対応によって、結果に大きな差が出てきます。
「きちんと見てもらえる準備」「伝える力」「誠実な対応」――
この3つを意識して、確実な現場運営を目指していきましょう。
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