国道2号の現場で誘導員の方がはねられたというニュースを見て、昔のことを思い出しました。
高速道路で規制していたとき、一般車がセンターライン沿いのコーンを何本もはじき飛ばして入ってきたんです。運転手さんはよそ見のまま、コーンを飛ばして初めて気づいた様子。
もし近くに人がいたらと思うと、今でもゾッとします。
前提をちょっと入れ替える
- コーンは「注意してね」の合図であって、壁やガードではない。
- 「みんな見てくれるはず」ではなく、「見ない人もいるかも」を前提に動く。
- 安全は気合いや善意に頼らず、こちら側で“仕組み”にしておく。
立ち位置は“安心できる場所”に
- 自分に「ここ、ほんまに安心できる?」と一度だけ聞く。少しでも迷ったら、一歩下がる。
- 視線(見える?)・逃げ道(ある?)・足元(安定してる?)の3つがそろわない場所は、立たない勇気を。
“整ってる”より“運転者に伝わる表示”を
配置は現場都合ではなく、運転席からの視線で決める。
近くでキレイより、遠くから一発で意味が分かることを優先。
文言は「速度・進路・距離」の3点を短く(例:40km/h・右へ・500m先)。
昼/夜/雨/逆光で見え方が変わる前提で切替える(照明・反射・位置)。
ヒヤリは「運が良かった」で終わらせない
- ヒヤリは“未然の事故”。誰かのミス探しではなく、仕組みを一つだけ良くするチャンス。
- 「今日のヒヤリは、今日のうちに1カ所見直す」——小さくても前へ。
言いやすい空気を先に作る
- 「その位置はちょっと怖いです」と言える空気は、上の人が先に用意する。
- 指示や合図は一本化。迷いが出たら止めてOK。迷いを笑わない。
声かけを少しだけ言い換える
- 「大丈夫やろ」→「どこが心配か教えて」
- 「早くして」→「ここで止めよう。安全を先に決める」
- 「何か気づいたら言って」→「13時からの昼の打合せで相談しよう。急ぎは近くの職員か、いない時は直接電話して。」
まとめ――“入ってくる前提”で、やさしく強い現場に
コーンは守ってくれません。
だからこそ、入ってくる前提で、準備しておきましょう。
ヒヤリは「運が良かった」で終わらせず、今日ひとつ直す。
特別なことはいりません。
小さな見直しの積み重ねが、いちばん強い安全です。
小さく改善して、今日も全員で無事に家へ帰りましょう。ご安全に。
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