現場で働く皆さま、お疲れさまです。
9月も下旬に差し掛かりますが、まだまだ暑い日が続いています。
もうしばらくの間は、熱中症対策に気をつけながら日々の業務に励みましょう。
本日、こんなニュースを観ました。
米研究機関Climate Centralの分析では、今夏の日本は「危険な高温」62日、人口の99%以上が30日以上その状態にさらされたと報じられました。
気候変動がなければ該当しなかった日も22日あったとされ、長時間の屋外作業にとっては、これまでの「猛暑対策」の延長では済まない状況です。
判断の物差し:WBGTで決める
「暑い/暑くない」ではなく、WBGT(暑さ指数)で客観管理。
厚労省はWBGT28以上または気温31℃以上の環境で継続作業を行う場合、対策を義務づけています(2025年改正)。
現場には指数計を常備し、日中は30分ごとに再測定、工程判断に反映させるのが基本です。
段取りを変える(やる/やらない)
- 時間帯の最適化:開始を前倒し、午後は作業密度を落とす/片付け・養生へ切替。
- スコープ縮小:区間や面積を品質を落とさず完遂できる量に再設計。
- 待ち時間ゼロ化:「検査待ち・写真待ち」を作らない。
休憩・補給・装備を“制度化”する
- 休憩リズム:WBGTに応じて短く・回数多く。日陰・送風・ミスト・冷却材をセット運用。
- 水・電解質:水分+塩分(経口補水)を作業前から摂取。休憩所に常設し記録簿で管理。
- 装備:通気・遮熱ウェア、ファン付ベスト、遮光ヘルメットカバー等を標準化。
兆候を見逃さない(初動対応)
- サイン:めまい・吐き気・異常な汗・言動の違和感=即中断。涼所で休ませ、体表冷却・電解質補給。すぐに回復しない場合は、躊躇せずに病院へ連れていく。
- 重症疑い:意識もうろう・ぐったり・発汗低下は119。搬送ルート等は事前に共有。
現場で使える“即決フロー”
- 朝礼前にWBGT測定→作業可否・休憩間隔を掲示(更新時刻も明記)。
- 気温上昇や遅延時はスコープ縮小を優先(残業で量を追わない)。
- 午後はカットオフ時刻を宣言し、無理はしない=やらない判断。
まとめ
「危険な高温」は今や例外ではありません。
だからこそ、気合いではなく指数(WBGT)で決める、休憩と補給を仕組みにする、工程は品質を守れる量に切る――この3点を現場の標準に。
暑さは管理で減らせます。
監督の一つひとつの判断が、仲間の命と品質を守ります。
皆様にとって、まだまだ忙しい日々が続くと思いますが、「あの時こうすれば良かった…」等の後悔をしないように、「気になったらやる!」「やれることはやる!」ことをお勧めします。
少しでも皆さまの現場運営の一助になれば幸いです。今日もご安全に。
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