はじめに
公共工事では、完了後に発注者から「工事評定点」が付与されます。この評定点が高いほど、次回以降の入札で有利になり、信頼性の高い企業として評価されます。
そこで本記事では、若手現場監督の皆さんが現場で実践できる、工事評定点を上げるための5つのポイントをご紹介します。
工程管理の徹底
- 詳細な工程表作成:着手前に細かなマイルストーンを設定し、タスクごとに「何を」「いつまでに」「誰が」実施するかを明確化。
- 進捗会議の運用:週次または前工程終了時に必ず進捗確認ミーティングを行い、遅れやリスクを早期に発見・対策。
- 予備日設定:天候や資材遅延を考慮し、バッファを意識した余裕のある工程設計を心がける。
品質管理の強化
- 検査計画の作成:材料受入検査、施工中検査、完了検査のタイミングとチェック項目を工程表に組み込む。
- 写真・記録の徹底:検査結果や補修履歴をデジタル写真と帳票で残し、品質保証につなげる。
- 第三者検査の活用:自主検査だけでなく、必要に応じて外部機関による試験・審査を依頼する。
安全・環境対策の実践
- 安全パトロール:日々の巡視でヒヤリ・ハットを記録し、改善策を朝礼で共有。
- KY活動の徹底:毎朝の危険予知ミーティングで作業リスクを洗い出し、対策を具体化。
- 環境配慮:騒音・振動・粉じん対策を実施し、近隣住民への配慮状況を記録する。
コミュニケーションと報告
- 定期的な報告書提出:週次・月次報告書を、事実と数字を交えてわかりやすくまとめる。
- 関係者との連携:発注者、設計者、近隣住民への挨拶回りや情報共有を怠らない。
- 記録の蓄積:議事録や配布資料を整理・保管し、いつでも提出できる体制を整える。
改善サイクルの運用
- 振り返りミーティング:竣工後に「よかった点」「改善点」を関係者で議論し、次現場へフィードバック。
- ナレッジ共有:社内イントラや共有フォルダで事例集を作成し、全現場に展開。
- PDCA管理:Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)を継続的に回す。
まとめ
工事評定点を上げるためには、「工程管理」「品質管理」「安全・環境対策」「コミュニケーション」「改善活動」の5つをバランスよく強化することが大切です。
日々の業務に加え、発注者にとって「プラスα」となる提案を意識しましょう。
たとえば、開通日やオープン日が決まっているプロジェクトでは、工期短縮につながるアイデアを出すと、発注者からの了承を得やすくなり、評定点アップに直結します。
若手現場監督の皆さんも、今日からこの5つの視点を意識して動き、次回の評定点アップを目指してください!
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