土木工事編:プレキャスト製品を据え付けるためのポイント

現場監督虎の巻


現場監督の皆さま、お疲れさまです。

土木現場でコンクリート構造物を迅速かつ高品質に仕上げるために、プレキャスト製品の活用が広がっています

しかし、据え付け時のミスや手戻りを防ぐためには、事前準備から施工後の点検まで、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。

本記事では、プレキャスト製品据え付けの成功率を高めるための必須チェックリストを解説します。


事前調査と設計図照合

  • 設計寸法と現況寸法のすり合わせ
    設計図書に記載された据え付け位置・寸法が、現場の基準点や墨出しと一致しているか確認します。特に長さや高さの許容差(±5~10mm程度)をチェックし、現況の誤差が許容範囲内かを事前に把握しましょう。

  • 基礎/杭頭レベルの確認
    プレキャスト製品が乗る基礎または杭頭のレベルをトータルステーションやレーザーレベルで精密に測量し、図面通りの高さが確保されているかチェックします。


プレキャスト製品の搬入・仮置き計画

  • 搬入経路の確保
    クレーン配置やトラックの進入口、地盤強度を考慮して、搬入経路と仮置きヤードをレイアウト。重機通行時の安全マージン(横幅+0.5m程度)を確保します。

  • 仮置き位置の目印
    製品番号や図面番号に合わせ、地面にスプレーマークや杭で仮置き位置を明示。複数パーツの場合は、組み立て順序を考慮して配置順序を管理しましょう。


クレーン作業と安全対策

  • クレーン選定と吊り具点検
    製品重量+パラレル動作荷重をもとに、適切なクレーン能力を選定。ワイヤーロープやスリング、フックの定期点検・荷重試験を必ず実施してください。

  • 作業半径とアウトリガ計画
    クレーンの作業半径を確定し、アウトリガの敷き鉄板やウィンチ荷重板を設置。地盤沈下や不均等荷重を防止します。

  • 立入禁止範囲の設定
    吊り荷直下やブーム旋回範囲に立入禁止柵を設置し、地上作業員の安全を確保。誘導員を配置して誘導ルートを統一しましょう。


製品据え付けと調整

  • 一時締結用治具の活用
    ボルト穴やアンカー孔に合わせた治具(ガイドピン・スペーサー)を使用し、荷降ろし後の微調整を容易にします。

  • 水平・垂直微調整
    レーザー墨出し器やダイヤルゲージを用い、製品の水平・垂直を±2mm程度の精度で確認。必要に応じてシム(スペーサープレート)挿入で調整します。

  • 仮締結と本締結の順序
    まず軽くボルトを締めて位置を確定した後、全ボルトを指定トルクで本締結。本締結後にはマーキングで締結状態を可視化します。


完成後の検査・メンテナンス計画

  • 施工検査記録
    写真とともに、製品番号、据え付け日時、クレーン仕様、調整量などを検査報告書に記録。図面との一致を確認して合格判定を行いましょう。

  • 定期点検スケジュール
    ボルト緩み、シーリング材の劣化、目地隙間の発生などをチェックする定期点検を6ヵ月~1年ごとに計画し、維持管理計画に組み込みます。


まとめ


プレキャスト製品の据え付けは、事前調査から搬入計画、クレーン作業、安全対策、据え付け精度調整、完成後検査まで一連の工程を正確に管理することで失敗を防げます。

この記事で紹介した5つのポイントを現場ルールとして徹底し、高品質かつ効率的な施工を実現しましょう。

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