はじめに
私自身、これまでトンネル工事や岸壁工事の施工中に比較的大きな地震や大雨に何度か遭遇しました。
その経験から、トンネルの崩落や津波といった現場特有の事象を想定した訓練では、作業員全員が本気で取り組んでくれました。
自然災害や緊急事態が発生した際、現場監督は迅速かつ的確に対応することが求められます。
そのため、日頃から災害対応訓練を計画し、実施しておくことが重要です。
本記事では、若手現場監督が押さえるべき災害対応訓練の計画と実施ポイントを解説します。
1. Plan(計画):訓練計画の策定
- 目的と想定シナリオの設定:地震、豪雨、火災など現場で想定される災害をリストアップし、訓練の目的とシナリオを明確にします。
- 関係者の役割分担:指揮者、連絡担当、救護担当など、訓練時の役割を事前に決め、全員に周知します。
- 訓練日時と頻度の設定:定期的に実施するスケジュールを作成し、年1回以上は必ず実施する計画を立てます。
- 場所と設備の準備:避難経路、集合場所、救護所設置場所などを事前に確認し、必要な資機材を用意します。
2. Do(実行):訓練の運営
- 訓練開始の合図:サイレンや無線アナウンスなど、実際の緊急通報を想定して合図を行います。
- 避難誘導:作業員を安全に避難経路へ誘導し、集合場所への移動を指示します。
- 応急措置・救護:応急手当、担架による搬送など、救護手順を実践します。
- 連絡・報告体制:関係者や官庁への報告手順を模擬し、連絡網の確認を行います。
3. Check(評価):振り返りと課題抽出
- 参加者アンケート:訓練後にアンケートを実施し、気づいた点や改善要望を収集します。
- 結果の分析:避難時間、誘導の正確性、応急対応の適切性などを数値やコメントで評価します。
- 問題点の共有:訓練中に発生したミスや混乱ポイントを全員で確認し、課題を明確化します。
4. Act(改善):次回訓練への反映
- 訓練計画の見直し:課題を踏まえ、訓練シナリオや役割分担を更新します。
- 手順書・マニュアルの改訂:訓練結果を基にマニュアルやチェックリストをブラッシュアップします。
- フォローアップ研修:必要に応じて追加訓練や勉強会を実施し、理解度を深めます。
5. 継続的取り組み
- 定期的な実施と記録:訓練履歴を記録し、実施状況を社内で共有します。
- 最新情報の反映:法規制の変更や新たな災害事例を取り入れ、訓練内容を常に更新します。
まとめ
災害対応訓練は、現場の安全を守るための重要な備えです。
計画、実行、評価、改善を繰り返し、常に実効性の高い訓練を維持しましょう。
若手現場監督の皆さんが主体となり、災害に強い現場づくりをリードしてください。
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