施工計画書の作成方法をわかりやすく説明

現場監督虎の巻


皆さん、こんにちは。

今日は、工事を進めるうえで欠かせない「施工計画書」の作成方法を、分かりやすく説明します。

以前の記事では、施工計画書が『工事の道しるべ』であり、安全・品質・環境を守るための大切な書類だとお伝えしました。

今回はその続きとして、「じゃあ、どうやって作るの?」という部分にしっかり触れていきます。

施工計画書の作成には、大きく7つのステップがあります。

ひとつずつ順番に見ていきましょう。


ステップ1: 設計図書を徹底的に理解する

まず最初は、工事の内容を詳しく示した「設計図書」を隅々まで理解することからスタートです。

設計図書には、工事の目的や形、使う材料、守るべきルールまで、工事に必要な情報がすべて詰まっています。

【仕様書】工事の具体的な手順や材料の品質、規格などが書かれています。

契約図面完成形の図面だけでなく、数量総括表なども含まれます。

質問回答書入札時に出された質問とその回答が記載されています。これを見ることで、設計意図がより明確になることがあります。

特記仕様書(ある場合) 共通仕様書を補足する特別な指示書があることもあります。


これらをしっかり読み込んで、工事全体のイメージをつかむのが第一歩です。


ステップ2: 現場をしっかり調査する

次に、実際の現場に足を運び、細かく状況を確認します。
設計図だけではわからない課題や注意点が現場にはたくさんあります


地形や地盤の状況工事を行う場所の広さ、形状、地盤の固さなどを確認します。場合によっては、地質調査報告書なども参考にします。

周辺の環境 周辺に建物や道路、川などがあるか、騒音や振動などで影響が出ないかなどを確認します。

工事スペース材料を置く場所や機械を設置する場所が確保できるかを確認します。

搬入経路材料や機械をどのように現場に運び込むかを確認します。

既存の埋設物地下には水道管、ガス管、電気ケーブルなどが埋まっている場合があるので、事前に調査が必要です。


しっかり調べることで、後々のトラブルを防げます


ステップ3: 施工計画書に必要な項目を確認する

次に、施工計画書に「何を書けばいいのか?」をチェックします。

国土交通省や大阪府などの発注機関が定める共通仕様書や、工事によっては特記仕様書で、記載が義務付けられている項目があります。


「土木工事書類作成マニュアル(案)」 には、一般的に記載される項目として以下のようなものが挙げられています。

•工事概要

•計画工程表(いつ、どの作業を行うかのスケジュール)

•現場組織表(現場で誰がどのような役割を担うか)

•指定機械、主要船舶・機械

•主要資材

施工方法(主要機械、仮設備計画、工事用地等を含む):どのように工事を進めるかの具体的な手順

施工管理計画(品質管理、出来形管理、工程管理など):どのように品質や工程を管理していくか

•安全管理計画 :どのように安全に作業を進めていくか

•緊急時の体制及び対応

•交通管理計画 :工事による交通への影響をどのように少なくするか

環境対策:騒音、振動、粉塵などの対策

•現場作業環境の整備

再生資源の利用の促進と建設副産物の適正処理方法:工事で発生する不用物をどのようにリサイクル・処分するか

•法定休日・所定休日(週休二日の導入)

•その他


これらの項目を基本として、共通仕様書や特記仕様書で追加の記載が求められている場合は、それらも必ず含めます
例えば、新技術や特殊な工法を用いる場合は、その詳細を記載する必要があります。
建設発生土を搬出する場合は、搬出先や確認結果などを記載した再生資源利用促進計画を添付する必要があります。


ステップ4: 計画書の内容を具体的に記述する

記載する項目が分かったら、それぞれの項目について具体的な内容を記述していきます。

誰が、いつ、どこで、何を、どうやって行うのか。→ これをハッキリ具体的に書くのが大切です!

図面や写真などを活用すると、より分かりやすい施工計画書になります。
例えば、仮設備の配置図や、施工手順を示したイラストなどを入れると良いでしょう。

数量や規格なども、設計図書に基づいて正確に記載します。

•安全管理計画では、具体的な危険源とその対策を明記します。

•環境対策では、騒音計や粉塵計の設置場所、測定頻度などを具体的に示します。

•再生資源の利用計画では、発生する建設副産物の種類と量、再利用・処分の方法、搬出先などを記載します。


ステップ5: 計画書の内容を確認・検討する

一通り書き上げたら、必ず内容をチェックします。
1人で悩まず、先輩や上司と一緒に確認するのがおすすめです。

•設計図書の内容と矛盾していないか。

•現場の状況に合っているか。

•安全対策は十分か。

•品質を確保できる計画になっているか。

•工程に無理はないか。

•環境への配慮は行き届いているか。


こうした視点で、漏れやミスを防ぎましょう。


ステップ6: 監督職員に提出し、必要に応じて協議・承諾を得る

作成した施工計画書は、工事着手前に監督職員に提出し、確認を受けます

監督職員から修正の指示や質問があった場合は、真摯に対応し、必要に応じて計画書を修正します。
共通仕様書などで監督職員の承諾を得て施工する事項については、事前に施工計画書に記載し、承諾を得ておく必要があります。

また、不明な点や疑問点があれば、監督職員と協議を行い、合意を得て進めるようにしましょう。


「承諾」や「協議」は、工事を進めるうえでとても大切なステップです。

ここをしっかり押さえておかないと、せっかく作ったものを『やり直し』になる可能性もあります。

めんどうに感じるかもしれませんが、これは絶対に手を抜かずにやりましょう!

現場をスムーズに進めるためにも、しっかり確認・報告を忘れないようにしてください。


ステップ7: 施工計画書に基づいて工事を実施し、必要に応じて見直す

施工計画書は、作成して終わりではありません

実際に工事を進める上での指針となりますので、常に内容を確認しながら作業を行います。

工事の状況が計画通りに進まない場合や、予期せぬ事態が発生した場合は、必要に応じて施工計画書を見直し、修正することも重要です。

その際も、監督職員と協議の上、適切な対応を取りましょう。



まとめ

施工計画書の作成は、最初は難しく感じるかもしれませんが、一つひとつ丁寧に取り組めば、必ず作れるようになります。

不明な点があれば、遠慮せずに先輩や上司に相談しましょう

誰かに見てもらうことで、大きなミスを防げます。


施工計画書は現場の「道しるべ」です。

しっかり準備して、みんなで安全・高品質な工事を完成させましょう!


最後に

施工計画書の作成は、現場を安全に進めるために欠かせない大事な仕事です。
この記事が少しでも、みなさんの参考になれば嬉しいです。

今後は、
✅ 施工計画書の具体例
✅ 施工管理の実践ノウハウ
✅ 現場監督として役立つ情報

こういった内容も、ブログで発信していく予定です!

「これから現場監督としてレベルアップしたい」
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そんな方は、またぜひ見に来てくださいね!


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