【超入門】今日から撮れる!現場写真管理の基本(機械舗設作業編)

現場監督虎の巻


写真は「見れば分かる」ではなく、**“誰が見ても同じように分かる”**が基準です。
本シリーズは、スマホ1台・今日の現場から実践できる内容だけに絞りました。


このシリーズの進め方

  1. 1分で目的を把握(その写真で何を証明する?)
  2. 撮り方の型(立ち位置/角度/距離/基準物の入れ方)
  3. よくあるNGと撮り直し(ブレ・逆光・基準なし など)
  4. チェックリストで完了確認

大切な考え方

  • 再現性:同じ条件で同じ結果が伝わる構図にする
  • 時系列:**「前→中→後」**で工程の流れを残す
  • 基準:スケール・水平・通り芯・始終点など**“比較できる目印”**を写す

まずは、失敗を恐れず型どおりに撮る。そこから“伝わる一枚”に近づきます。


今回は、舗装工事の機械舗設作業を取り上げ、全景→中景→近景の基本と、温度・厚さ・ローラーパスなど“証拠になる写真”の撮り方を紹介します。



今日のゴール

  • 敷均し転圧仕上げ」のそれぞれで、全景→中景→近景をそろえる。
  • 温度おんど厚さあつさローラーパス(ローラーが同じ場所を何回とおったか)を写真でのこす。
  • 簡単なファイル名とメール提出ができる


作業のながれ(写真タイミング)


合材到着 → フィニッシャで敷均し → 初転圧 → 中間転圧 → 仕上げ転圧 → ジョイント・端部処理 → 完成確認

写真は「はじめ・途中・おわり」の3タイミングを意識してとります。


「単語の意味」
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初転圧(=初期転圧/ブレークダウン)

  • 敷均し直後の高温のうちに、早く・確実に締める段階。
  • 多くは鉄輪ローラ(振動ONなど現場指示に従う)。

中間転圧(Intermediate)

  • 密度を上げつつ平坦を出す。重なり幅・パス管理が要。
  • 鉄輪 or タイヤローラなど。

仕上げ転圧(Finish)

表面を整えてマーク消し。多くは静的(振動OFF)
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撮る写真(必要カット)

  1. 舗設開始の場所 全景(始まり位置・向きが分かる)
  2. フィニッシャで敷均し 中景(全景はダンプアップを入れる)
  3. 敷均し直後 近景(表面の様子)
  4. 厚さ確認 中・近景(スタッフ・舗装定規を入れる)
  5. 温度・近景(表示と舗設面を一緒に)
  6. ローラーの動き 全景(初・中・仕上のルート)
  7. 初期転圧 中景(重なり幅が分かる)
  8. ローラーパス記録 中景(メモ札「初2/中2/仕1」などを写す)
  9. ジョイント 近景たてよこの前→後)
  10. 端部処理 近景(まっすぐ・締まっている)
  11. 仕上げ後 全景(平らさが分かる角度)
  12. 欠陥チェック 近景(うねり・分離・ローラーマークの有無)

目安まい数:小さい区間 15〜25まい/大きい区間 30〜50まい。


エビデンス(温度・厚さ・ローラーパス)

  • 温度敷均し直後 と 仕上げ前 の2回。温度の数字+路面を同じ写真に。
  • 厚さスタッフ+舗装定規の近景 + 測った場所が分かる中景。
  • ローラーパス同じ場所を何回とおったか。停止印+メモ札を一緒に写す。


⚠️ 温度撮影は「敷均し直後」と「仕上げ前」の2回(最低ライン)


結論:①スクリード直後のマット温度②仕上げ転圧に入る直前のマット温度を撮る。
※「初期転圧(ブレークダウン)温度」ではない。(現場指示があれば追加で撮影)


① 敷均し直後(スクリード直後)

  • 位置スクリード後方1〜2m
  • 写真温度表示+路面(同一画角)



② 仕上げ前(最終ローラー直前)

  • 位置仕上げローラーが入る直前の区間
  • 写真温度表示+路面(同一画角)



+ 余裕があれば:より安心の「3点方式」

①敷均し直後②初期転圧開始時 ③仕上げ前
(写真とキャプションは上記と同じ型でOK。仕様・指示に②が含まれる場合あり)


NG → OK(温度写真)

  • NG:温度計の数字だけアップOK:表示+マットを同一写真に
  • NG:場所・タイミング不明OK:キャプションに「どこ・いつ」を入れる

注:「現場指示を最優先」。指示があれば撮影タイミングを追加して対応。
  ・マットとは、フィニッシャのうしろにできる、まだ熱い舗設面。(ローラーで仕上げる前。)


安全の写真

  • 人と車の道を分ける(コーン・バー)。
  • ローラーの停止位置(印や合図)を見せる。
  • ダンプの荷台の離型剤(注意書き、軽油はダメ)。


ファイル名と提出(ルール)

ファイル名(並べやすい)

YYYY-MM-DD_工区_舗設_撮影順_ショット.jpg
例)2025-09-05_A工区_舗設_01_全景.jpg
  • ショット:全景/中景/近景
  • 撮影順:01, 02, 03…(2けた)

    後で探しやすければOK。


メールの件名

[YYYYMMDD_工区_舗設]
例)[20250905_A工区_舗設]

メール本文(3行キャプションの例)

01全景:A工区 舗設開始位置と向き
02中景:初転圧のようす(重なり15cm)
03近景:温度 145℃(敷均し直後)

NG→OKの例

  • NG:「IMG_1234.jpg」だけ → OK:2025-09-05_A工区_舗設_01_全景.jpg」
  • NG:近景だけ → OK:全景→中景→近景の3まいで文脈
  • NG:温度計だけアップ → OK:温度数字+路面を同じ写真に
  • NG:口頭で「初2/中2/仕1」 → OK:黒板やメモ札を写真にうつす


宿題(上司や先輩に見てもらいましょう)

  1. 「全景→中景→近景」の3まいセットを、2セット以上つくる。
  2. ファイル名とメール件名は、このページのルールどおり。
  3. ローラーパスは黒板やメモ札を入れて写真で残す(例:初2/中2/仕1)。

チェックのポイント抜けがない/写真がぶれない/キャプションが短く分かりやすい/当日提出。


まとめ


やることは簡単

3まいセット(全・中・近)」「温度・厚さ・パス」「名前と提出

この3つをまもれば、だれが見ても分かる写真になります。


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