挑戦① 初めての現場管理写真を撮る!(切削編)

現場監督虎の巻


「まずは“残すべき写真”を外さない」。これが現場管理の第一歩です。

この記事では、舗装の切削作業で必ず押さえたい状況写真出来形写真の撮り方を、超初心者向けにわかりやすくまとめました。

この記事どおりに進めれば、次工程(乳剤散布・舗設)を止めずに、必要十分な写真が揃います。



今日のゴール(これだけ撮ればOK)

  • 状況写真作業の流れ(切削→積込→清掃)が一目でわかる写真を揃える
  • 出来形写真規定の切削深さが確認できる写真を揃える(始点→終点の向き)


事前準備・注意点チェックリスト

  • 何cm切削するか(設計切削量)を確認
  • 測点の断面図で片勾配か両勾配(山型)かを確認
  • 出来形写真用の道具の準備:水糸/ピンポール/スタッフ/リボンロッド 等
  • 写真の手元(補助)を頼む人に声かけ目盛り保持・水糸保持・安全確認
  • スイーパー完了後、すぐに出来形撮影(乳剤散布を待たせない)
  • 撮影方向の原則:始点→終点
  • 暗所対策:その場で拡大確認し、ブレ・目盛不鮮明なら即撮り直し
  • 撮影後の道具はすぐに片付け、または次の測点付近の邪魔にならない場所に仮置き


状況写真の順番・撮り方(流れが伝わる構図)

  1. 切削機の斜め後ろから、ダンプへの積込がわかるように撮影。
  2. 切削機とダンプを入れ、遠景で全体が写る写真。作業の流れが把握できる引きの一枚。
  3. スイーパーが稼働中の状況写真。
  4. 切削機→スイーパーの施工順序が伝わる遠景写真。一連の流れを1枚で示す。
  5. スイーパー完了後の清掃完了写真。作業箇所全体が写るように。

コツ:人・機械・搬出車両の位置関係がわかるように、高めの立ち位置で撮ると情報量が増えます。
安全確保の上、逆光は避け、影が重要部にかからないタイミングで撮影しましょう。


出来形写真の撮り方(深さ・勾配を証拠化)

基本方針:撮影方向は始点→終点

道路中央付近から、両端部(路肩側)と中央部の“下がり”がわかるように撮る。
アップでは断面と目盛りが明確に写ること。

  • 道路中央付近から、両端部の断面が読める位置関係を作る
  • 水糸・ピンポール等で基準ラインを見せる。スタッフ・リボンロッド等で数値を読む
  • アップは目盛りの数字が読めるまで寄る(ピント固定)
  1. 測点の両端部が入る遠景写真。(始点→終点の向き)
  2. 端部×2か所+中央部のアップ写真。断面と目盛りがはっきりわかるように。

コツ:端部は舗装が欠けやすいので、目盛りを端部に沿わせ過ぎない位置で“深さ”を示すと読みやすくなります。スタッフは垂直、水糸はピンと水平に。


現場フローに沿った“迷わない”撮影手順

  1. 開始前:設計切削量・勾配を最終確認、道具と手元を配置
  2. 切削・積込:状況①②を撮影(斜め後方・遠景)。
  3. 清掃:状況③④を撮影(スイーパー稼働、順施工の遠景)。
  4. 清掃完了:状況⑤を撮影(全面が綺麗な状態)。
  5. すぐ出来形:遠景→端部アップ→中央アップの順で撮影。
  6. 撤収:道具を次測点付近へ移動、施工の邪魔にならない場所に。


よくあるNGとリカバリー

  • NG:目盛りが読めない/ブレている → その場で拡大確認→即撮り直し
  • NG:撮影方向が逆(終点→始点) → 原則は始点→終点で撮り直し
  • NG:アップだけで遠景がない → 遠景1枚を追加し、位置関係を補完


現場で使えるミニ・チェックリスト

【状況写真】
□ 斜め後方から切削→ダンプ積込がわかる写真
□ 切削機+ダンプの遠景(作業の流れ)
□ スイーパー稼働状況
□ 切削→スイーパーの順がわかる遠景
□ 清掃完了の全景

【出来形写真】(始点→終点の向き)
□ 測点の両端部が入る遠景(道路中央付近から)
□ 端部アップ(断面+目盛りが読める)
□ 中央部アップ(断面+目盛りが読める)

【共通】
□ 設計切削量・勾配を事前確認
□ 手元の確保(水糸・スタッフ保持)
□ 暗所はその場で拡大確認→不鮮明は撮り直し

撮ったあとのひと手間(管理がラクになる)

  • ファイル名例:2025-08-21_切削_J1+00_状況01.jpg / 2025-08-21_切削_J1+00_出来形_端部UP.jpg
  • 並べ方:「01状況→05状況→出来形遠景→端部UP→中央UP」の順で時系列が伝わる
  • メモ:切削深さ・勾配・測点・車線名を台帳に併記



まとめ


切削の写真管理は、流れを見せる状況写真と、数値を証拠化する出来形写真の二本柱です。

この記事のチェックリストどおりに押さえれば、初めてでも“必要十分”な写真が揃います

まずは一現場、やってみましょう

撮って、拡大して確認して、必要ならすぐ撮り直す——この地味な積み重ねが、あなたの現場力を確実に上げていきます


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