山間部の工事では、スズメバチとの遭遇は毎年起こり得るリスクです。
ここでは、現場監督が朝礼でそのまま伝えられる「事前準備・遭遇時・刺傷時」の要点を、実務向けにまとめます。
事前準備(出合わない工夫)
- 情報確認:入山前に自治体の出没情報をチェック。巣の疑いがある場所は工程を見直す。
- 服装・装備:長袖長ズボン・手袋・ヘルメット。黒っぽい服や強い香り(香水・整髪料・柔軟剤)は避ける。必要に応じて防蜂ネットとホイッスル。
- 誘引物ゼロ:飲食物・生ゴミ・甘い飲料は密閉保管し持ち帰り。休憩所周りの匂い管理を徹底。
- 作業前点検:刈払い・法面の陰・構造物の隙間を先行確認。巣の疑いがあれば即中止→立入禁止→専門業者へ。
遭遇時(巣や個体を見た/寄ってきた)
- 刺激しない:手で払わない・走らない・大声を出さない。頭部と目を手ぬぐい等で覆い、低姿勢で静かに後退(目安20m以上)。
- 巣を発見:作業中止→立入区画設定→監督へ報告。自力駆除は行わない。
- 再開判断:専門業者の対応と安全確認後に工程を組み直す。
刺されたとき(初動と医療連携)
- まず退避:二次被害防止のため安全地点へ移動し安静。
- 患部処置:流水で洗浄し冷却。針が見える場合のみ速やかに除去(通常スズメバチは残りにくい)。口で吸い出さない。
- 全身症状:じんましん・息苦しさ・声がれ・意識障害などはアナフィラキシー疑い。エピペン®処方者は自己注射→119通報。発症時刻・症状・処置内容を記録。
朝礼での合言葉(掲示用)
刺激しない/静かに離れる/報告・区画・中止/刺傷は洗う・冷やす/全身症状はエピペン®+119
※地域の最新指針と専門業者の助言に従い、KY活動で連絡フロー・集合場所・搬送ルートを共有しておきましょう。
まとめ
山の現場では、思わぬタイミングでスズメバチの巣に近づき、刺されることがあります。
万一に備え、出没情報の確認、服装・装備の見直し、飲食物や生ゴミの管理、刈払い前の巣の点検、連絡フローの共有など、できる準備を重ねておきましょう。
〈現場監督虎の巻〉では、現場で得た気づきや改善策を今後も継続的に発信していきます。
更新にご期待ください。
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