「残業キャンセル界隈」にどう向き合う?

現場監督虎の巻


SNSで話題の「残業キャンセル界隈」。
“残業はしない”という価値観が可視化され、現場でも定時で帰りたい人が増えています

大切なのは、対立ではなく仕組みで解決すること。

この記事は、明日から使える考え方と手順を、できるだけシンプルにまとめたものです。



まず押さえる結論

  • 残業は「最後の手段」。勝負は段取りと仕事量の設計で決まる。

  • ルールは前日までに合意当日夕方の“お願い残業”は揉める元。

  • 公平・透明に運用する。誰にどれだけ負荷がかかったかを見える化



現場で起きがちなズレ(原因)

  • 仕事量が多すぎる/雨や運搬遅れで計画が崩れても量を減らさない

  • 「いつまでに」「どこまで」が曖昧。誰が何をやるかが朝の時点で決まっていない。

  • 残業のルールがない。承認・配分・代休が場当たり



定時で終わる設計(5つのコツ)

  1. 朝15分の段取り会:今日やることを「誰が・どこで・何分」まで言い切る

  2. スコープを切る:天候・運搬の乱れが出たら面積や区間を縮小。品質を落としてまで量を追わない。

  3. 待ち時間ゼロ化:合材受入→敷均し→転圧→写真の流れを1列で回し、検査待ち・写真待ちを作らない

  4. カットオフ時刻宣言:例「16:30で作業終了。以降は片付け・安全復旧」。

  5. 翌朝早出を選択肢に:残業より、翌朝30分前倒しのほうが安全で効率的なことが多い



残業が必要になったときの“運用ルール”

  • 事前承認(前日17時までに依頼):
    誰が/作業内容/何時まで/理由/代替案(範囲縮小・翌朝振替)を記入。

  • 配分の公平:週ごとに実績(人名・時間)を掲示。固定メンバーに偏らせない

  • 翌朝の振り返り:残業で得た成果(品質・出来形・安全の指標)を簡潔に確認

  • 健康・家庭事情の尊重申告窓口を明示。強要・報復は禁止。


声かけ例
「今日は15:30で材料受け入れ終了すること。 遅れた分は範囲を縮小で対応。
どうしても必要なら前日17時までに承認票で申請して」



若手監督の“すぐ効く”チェック

  • ムダ3種を潰す待ち(合材・検査)/探し物(資機材・書類)/やり直し(写真撮り直し)。

  • 写真は前倒し黒板テンプレを前日に作る。撮影順を工程表に紐づけ。

  • 安全最優先暗くなる前に終える。無理はしない=やらない判断を選べる監督になる



まとめ


「残業キャンセル界隈」は“価値観の見える化”に過ぎません。

現場監督の武器は、段取りで終わる現場を設計する力と、必要なときだけ透明なルールで残業を回す力。

――安全と品質を守りながら定時で帰る。それは根性ではなく、仕組みで達成できます


参考:ITmediaビジネスオンライン「『残業キャンセル界隈』名乗る若者が増加中…… 上司はどう向き合うべき?」(記事の要点を要約)


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