現場監督の皆さん、日々の現場作業お疲れさまです。
皆さんの仕事は、設計図書通りに構造物を作るだけでなく、現場で働くすべての人の安全を守ることも含まれます。安全管理は、工事の品質や工期以上に重要で、命を守るための最優先事項です。
ここでは、実際の現場で役立つ安全管理の基本的なポイントをお伝えします。
安全管理は「体制づくり」と「周知徹底」から
安全管理の第一歩は、現場全体の安全衛生管理体制をしっかりと築き上げることです。
そして、工事関係者全員に工事内容、設計条件、施工条件、工法などを正確に周知徹底することが重要です。
特に、経験の浅い職人や高齢者に対しては、その作業内容や場所を考慮した適切な人員配置を心がけましょう。
現場の「いつもと違う」に気づく目を養う
現場は常に変化します。
施工計画と実際の現場条件が一致しない場合や、地下埋設物などの予期せぬ障害、さらには異常気象など、さまざまな状況が発生します。
- 地下埋設物:掘削や杭打ち作業を行う前には、地下に何が埋まっているのかを事前に調査し、関係機関や所有者と位置や状態を確認して保安対策を十分に打ち合わせましょう。土留めや仮締切りの施工時も、埋設物への衝撃や偏土圧に注意が必要です。
- 異常気象:大雨や洪水が予想される場合は、作業中止を含めた検討を早めに行い、必要に応じて救命用具の準備や警戒体制を整えましょう。
作業再開前には、地盤の緩みや崩壊がないかを入念に点検します。 - 危険箇所の「見える化」:危険な場所には必ず標識を設置し、関係者以外や無関係な車両・船舶等の立ち入り・接近を制限するなど対策を講じましょう。作業区域を明確に標示することも重要です。
機械や設備の安全な使い方を徹底
建設現場ではさまざまな機械や設備が使われます。これらの安全管理も現場監督の重要な役割です。
- 点検と整備:使用する機械や設備(賃貸・貸与も含む)は、点検整備状況や使用者の資格を必ず確認しましょう。特にトンネル内などで使用する掘削・積み込み用機械は、照明装置や安全装置の点検を怠らないようにしてください。
- 安全装置の活用:機械の起動装置には表示板を設置して施錠し、クレーン作業では吊り荷の直下や移動範囲への立ち入り禁止措置を取るなど、安全装置や規則を最大限に活用してください。
コミュニケーションでリスクを共有
安全管理は一人だけでできるものではありません。
- 報告・連絡・相談:現場で異常や設計図書との不一致を発見した場合や、作業機械の故障、水中落下物が発生した場合など、少しでも気になることがあれば速やかに監督職員に連絡して指示や協議を行いましょう。口頭での指示でも、後日書面で確認することが規定されています。
- 情報共有会議:日々の作業内容や危険箇所、進捗状況などを定期的に共有する機会(現場打合せ簿や工事進捗定例会議など)を設け、リスクを共有し、対策を皆で考えることが事故防止につながります。
資格と知識を力に
特定の作業には作業主任者など必要な資格が定められています。
該当する作業に適切な資格を持つ作業員が配置されているかを確認するのも、現場監督の大切な仕事です。
また、各種基準類や要領(道路土工要綱、コンクリートのポンプ施工指針など)を参照し、技術的な知識を身につけることも、安全な施工管理に不可欠です。
最後に
安全管理は、一度やれば終わりではなく、日々の継続的な意識と改善が必要です。
分からないことや不安なことは、一人で抱え込まずに先輩や監督職員に積極的に相談してください。
皆さんの安全に対する意識が、現場全体の安全レベルを高めます。
共に無事故・無災害を目指しましょう。
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